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建寿御前日記 第七段 「局の中」 [【建寿御前日記(本)】]

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【第七段 本文】

人のつぼねつぼねより、こゑかけて参る女房などは、ひとりもなし。下臈までも、親、たちそひ、もてかしづく人ありて、いでいりにつけてやすらかに、つぼねの中まで、人におとらじと、このみもてなしたるかぎりなれば、何事のあかぬ事かはあらん。

親、子、姉、おとと、ならで、人のつぼねにゐたる人、ひとりなし。うへわらは、雑仕など、ふたりあるは多かりしかど、ひとりなきは思ひもよらず。中にも堀川殿は、すこしおとなにて、あさゆふ候ひしかど、昨日今日まゐりたる人のやうに、つぼねの中まで、かぎりなくしたててやまれにき。

【訳】

それぞれの局からの紹介で出仕する女房などは、一人もいない。(みんな女院との直接の関係があってお召しにあずかるものばかりだった)

身分の低い女房でも、親がしっかりついており、きちんとお世話する人がいて、出仕、退出それぞれに心配事もなく、局の中でも他人に後れを取るまいと、趣向をこらしている女房ばかりなので、何の不満なことがあろうか(そんなものはない)。

親、子、姉、妹という関係でなく、他人の局に間借りしているような人はひとりもない。そば仕えの女童、雑役に奉仕するものなど、二人使っている人は多かったが、一人も使っていないなどということは思いもよらない。
中でも堀川殿はすこし主だった立場であり、いつもお仕えしていたが、昨日今日に参上した人のように(たしなみを崩さず)、局の中まできわめて美しくこしらえるということを最後まで続けられた。

【コメント】

今回は建春門院に仕えた女房達がどんな人たちだったかという話です。
一言で言うと「みんなお金持ちでしっかりした家の人たちです」ってことですね。食い詰めて女房になるような人は一人もいませんってことらしいです。

いつも思いますが、建寿御前はプライドが高いですよね。
まぁ、そこも魅力ですか。

★さて、先週の清盛は保元の乱だったのにもかかわらず史上最低の視聴率になっちゃったみたいです。
何でかな~。崇徳院がかわいそうすぎてみんなチャンネルを変えちゃったのでしょうか(笑)


鎮西為朝の「夜討ちこそ上策」っていう建議を「卑怯者のすること」と却下しちゃう頼長&崇徳院をみて、ついつい「ああ~、こうなるのは分かってたけどだめだこりゃ」ってつっこんじゃいました。
このエピについて「アレクサンドロスだって同じことしたのに(※)結局あっちは勝ったから『さすが王者の風格』みたいに言われて、こっちはバカじゃねーの扱い」ってコメントしている人がいて笑っちゃいました。
確かにそうですよね。まぁむこうは古代だし、相手のペルシアがダメダメだったからラッキーだったっていうのもありますが。

(※)古代にペルシアとマケドニアがガウガメラで戦ったとき、マケドニアの武将パルメニオンがアレクサンドロス3世に夜襲を進言したのですが、大王は「私は勝利を盗まない」といってその進言を退け、翌朝みごとに勝利したってエピです。
ちなみに相手のペルシア軍は何していたかというと、マケドニアが夜襲をしてくるはずって身構えて夜通し起きてたので翌朝戦えなかったそうです。
夜通し起きてるんなら自分から夜襲かけろよホント。

為朝役の人ピッタリでしたね。よくこんな役に合う人連れてくると思います。
来週の予告を見たら、何だか上皇様がうつろな目をして山をさまよってました。先週にも増して可愛そうな展開が予想されます。
保元の乱に負けた上皇様は仁和寺で出家ってことになるはずですが、西行がやってくる例のエピソードもやるのかな?
楽しみですね。
今度こそ視聴率が上がって欲しいものですが。

【建寿御前日記(本)】・・・清盛の視聴率が心配。


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kontenten

会社に居着いた三毛ちゃんが家出をしました。
近所にいるのですが、帰ってきません。
清盛の視聴率と並んで心配事が増えました(w)
by kontenten (2012-06-01 13:17) 

ヨンタロー♀

これは今でいうと、ロイヤルのお話みたいなものなのでしょうか?
同じ国の文化とは思いにくい部分もあって、興味深いです。
テルマエロマエみたいなタイムスリップものになったら面白そうだにゃ。
by ヨンタロー♀ (2012-06-01 16:42) 

nakonako

みなさん、nice&コメントありがとうございました。

kontentenさん、
それはご心配ですね。
清盛の視聴率などとは比べ物になりません。早く帰ってくるといいですね。

ヨンタローさん、
ロイヤルはロイヤルなんですけど、お話の中心は宮中ではなく後白河上皇の院御所法住寺殿と女院の実家七條院かと思います。
そもそも建春門院が後白河の寵愛を受けるようになったのは、後白河が二条天皇に譲位した後からということらしいので。
同じ国の文化らしからぬ所ありますか?興味を惹かれます。よかったら今度、どこら辺をそう感じられたら教えて下さい。
by nakonako (2012-06-01 21:19) 

溺愛猫的女人

こんにちは

もう本当にこんなに視聴率が下がると、役者さん達も不憫になってきます。
と言いつつも再放送を見ている私・・・m(_ _)m


by 溺愛猫的女人 (2012-06-02 10:32) 

nakonako

溺愛さん、
松ケン、矢面に立たされて可哀相ですよね。
明日は心配です。
でも、明日ワーストを更新しちゃってもサッカーのせいですよ!
明日は保元の乱その後・・・なのでとっても楽しみです。
by nakonako (2012-06-02 22:38) 

りる

デビューの頃からの松ケンファンですが(と前置きして)
実は今迄もドラマではあんまり成功してないんですよね。
映画の方が向いてる役者さんなのかなと思います。
でもせっかく大河の主役をゲットしたんだから、がんばれー!
ていうか、いくら私が見ても視聴率はかる機械ついてないから、
視聴率上がらないんですよね(^‐^;
視聴率の機械ついてる人が見てくれないと(笑)


by りる (2012-06-03 01:46) 

nakonako

りるさん、
あらら、松ケンは地上波むきじゃなかったのですね。
そういえばよく映画出てますよね。
最初の方確かに松ケン清盛はうざかったですが、台本だからしょうがないですよね。これからどんどん良くなると思ってます。
by nakonako (2012-06-03 19:00) 

ヨンタロー♀

それはですね、局とか女童とか、周りにいないし、おととが弟ではなく妹だったり。
あ、おととはちょっと違いました。
by ヨンタロー♀ (2012-06-03 22:12) 

nakonako

確かに!きょうびの人件費を考えると女童はむずかしいかもですねー。
おっしゃる通り「おとと」は、もともと「弟人(おとひと)」→「おとうと(ウ音便)」→「おとと(音便の省略)」の変化です。
弟も妹も「おとうと」って言ったみたいです。
by nakonako (2012-06-03 22:41) 

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